講演会(ご案内・ご報告)

第13回講演会

プログラム1
『ご挨拶』
NPO「丸山ワクチンとがんを考える会」
副理事長:丸山 茂雄


 皆さん、本日はお集まりいただきましてまことにありがとうございます。
 私が副理事長の丸山茂雄であります。よろしくお願いいたします。
 今回、第13回の講演会を迎えたんですが、第9回までは、篠原 一先生が前年から1年間のがんの治療に関する世の中の動きを大きく概括してお話しなさって、私どもはその1年間の医学界について、あるいはがんの治療についての大雑把な流れを勉強することができたんであります。
 今、司会の南木さんからお話があったように、先生も足下が若干弱られて、ここに来場することが難しくなり、「代わりに丸山君、君がやりなさい」という指示を受けたんですが、私は先生の代わりができるほどの知見もなく、去年も話の大部分は言い訳になりました。
 今年も同じように言い訳になりますが、篠原先生のいつものスタイルを真似るとするならば、この1年間でがんの免疫療法が非常に大きな流れになってきたのではないかと思います。2011年に、免疫学で自然免疫のメカニズムというものがあることを発見した学者と、その作用を研究していた学者がノーベル医学生理学賞をとりました。がんに対する免疫学が非常に進歩したという流れの中で、多分その先鞭をつけた学者にノーベル賞を渡すべきだということになったんでしょう。
 ここのところに来て、多分皆さん新聞でお読みになっておわかりだと思いますが、免疫の医薬品が発売されて─丸山ワクチンではありませんよ。それとはまた別の薬が日本とアメリカ両方から出始めて、それが大変話題を呼んでいる。オブジーボという新しい薬が出てくるんだそうでありますが─出てきたのかな。それが大変話題を呼んでいる。今までがんの治療は手術と放射線と抗がん剤が3本柱になっていて、それでは必ずしも完全でなくて、がん患者から見るとどうもがんと戦う武器としては非常に数が少ないなというのが実感であったわけですけれども、そこにいわゆる抗がん剤とは違う免疫の薬というのが出てきて、効果を上げ始めたということになっているわけです。
 そういう意味で、がん患者の立場からすれば戦う、あるいはがんの治療あるいは予防といったところに新しい手段が出てきたという、まことに喜ばしい動きが去年あたりから顕在化してきた。当然そういう研究というか、開発に着手したのは10年とか15年ぐらい前ですから、その頃から徐々に免疫という考え方が一部の学者あるいは一部の製薬会社、一部の開発者といったところから広がり始めて、それが顕在化して薬の承認に結びついたわけですよね。
 それと丸山ワクチンとの関係はどうなんだと言えば、私見ではありますが、がんの免疫と言うと「いかがわしい」と言われ、一部の真摯な方々がサポートしてくださったというところもありますけれども、ずっと丸山ワクチンもそういうふうに言われ続けてきたわけであります。ここに来て免疫療法が大きく出てきたということは、ある意味で、仲間がたくさん出てくる、あるいはジャンルとして一般的に認知され始めるということで、それは丸山ワクチンにとっても大変いいことではないか。
 その「いいことではないか」というのは何かというと、がんの患者さんにとって、今、丸山ワクチンを選択することが難しい事情がいろいろあるんですが、お医者さんも基本的には自分だけ使うのは大変恐いものですから、みんなが使っているんだったら俺も使うというところがなくはない。何も薬だけでなくて、あらゆる物事というのはみんながやっているのであれば自分も……、横断歩道でない所を渡るのもみんなが渡るんだったら怖くないという言い方がありますよね。世の中というのはそういうもので、免疫療法が一般化して、適正な扱い方をするようになれば、それは多くのがん患者にとって大変ありがたいことではないか、そういう時期が来始めているというのがこの1年間で顕在化したことだと私は思っています。
 今日お話しいただくのは田辺先生と伊丹先生です。田辺先生は朝日新聞のジャーナリスト出身で、ご自分のいろいろな経験談を今日はお話しいただいて─ちょっとお話ししたいことがあるんですけれども、本人がそのことには触れるなと言っているので触れることができないのですが、いろいろなお話が出てくると思います。伊丹先生は、この講演会に出ていただくのは2回目です。お2人ともどちらかというと、がん患者の立場から見たがん治療、一体どんなものが患者にとって一番幸せかという、私のご紹介の仕方は大雑把ですが、そういうことについてお話しいただけると思います。ぜひご参考にしていただければありがたいと思います。
 私の話は以上です。
 本日はお集まりいただきましてありがとうございます。(拍手)