講演会(ご案内・ご報告)

第11回講演会

プログラム1
『ご挨拶』
NPO「丸山ワクチンとがんを考える会」
副理事長:丸山 茂雄


 今日はお集まりいただきまして、ありがとうございました。丸山と申します。
 毎回お二人の方に講演をしていただきますが、いつもは冒頭のご挨拶で理事長の篠原一先生が、その年の丸山ワクチンの状況と、がんに関する学問的な進捗とその感想をお話になっています。 皆さんのお手元にありますプリントに、本来であれば先生からお話になる内容が書かれております。 これをお読みいただければ私がお話することはもう何もないのでありますが、私が一言お話するとすれば、ここではふれていないのですが、丸山ワクチンに関して若干の進捗がございました。
 というのは、丸山ワクチンの今のポジションというのが有償治験薬であることは、もうご存じだと思います。 製薬会社であるゼリア新薬工業が、この間引き続き認可を目指していろいろ工夫を重ねておりまして、今、子宮頸がんにおいて治験をやっています。
 最近の抗がん剤の認可基準には、生存率をきちっとみていこうというのが新しく入りましたが、生存率がほかの薬に比べてどの程度勝っているか、生存期間がほかの薬に比べて長くなっているかどうかを調べるには、結局ものすごく時間がかかるわけであります。 腫瘍の大きさがどれぐらい小さくなるかといった定量的に物理的に大きさを比べればいいということだけでなく、生存期間をみていくというのは時間がかかります。
 ASCO(アスコ)、 American Society of Clinical Oncology (アメリカン・ソサエティ・オブ・クリニカル・オンコロジー)というがんの標準治療の動向を左右するような学会が5月の末から6月1日、2日ぐらいにあるのだそうです。
 先ほど申し上げた子宮頸がんの治験結果がまだ出ているわけではありませんが、その治験内容の一部がそこで発表されるということになりました。 その学会で演題として取り上げられたということは、それなりの結果が出たのではないかと思います。 まずは学会で発表されない限り外部に公表することはないわけですから、現在のところ、その内容は私たちは知るよしもない。 発表するというところまでいけたということに私どもは大変な希望を持っているわけであります。 ここで、このことを皆さんにご報告し、6月に入ってしばらくするとそのニュースが飛び込んできて、来年のこの会でそれについてのお話ができるのではないかと期待をしております。
 私から申し上げることはそんなところであります。 このあと、中島先生と黒丸先生からお話をいただきます。ぜひ、最後までお聴きください。ありがとうございました。(拍手)




ご挨拶

 本日はご多忙中のところ多数ご出席をいただき有難うございました。 この講演会も11回を数えるようになりました。これまでのご支援に感謝します。 足腰の状態が回復せず、昨年に続いて書面でのご挨拶になってしまったことをお詫び申し上げます。
 さて、今年度はこれまで封印されていた、子宮頸がんの治験結果が開封され、分析される年に当たりますので、その進行状況が注目されますが、この点についてはまだ情報がありません。 しかしその間にも丸山ワクチンの使用とワクチンに対する関心の輪は広がり続けています。 また、大腸がんを丸山ワクチン単独で治療された詩人の詩集(みくも年子詩集『癌・無期限治験ワクチン』、土曜美術社出版販売、2012)や,手術不能・転移の状態で、患者主権、当事者主権の立場から、抗がん剤と丸山ワクチンの併用の道を選択して、がんとの共存の道を選んだ女性学者の著書(青木晴海、『生きのびるためのがん患者術』、岩波書店、2012)など、ユニークな著書が出されました。
 研究については、日本医科大学の高橋秀実先生はこれまでこの講演会で自然免疫と丸山ワクチンとの関係に関して理論的な解明をされてこられましたが、さらにこれを進めて、丸山ワクチンの成分であるミコール酸やリポアラビノマンナンが抗原を提示する細胞であるランゲルハンス細胞に対する影響を科学的に追跡されているようで、丸山ワクチンの作用機序の解明は一層核心に迫ってきました。この点については後日先生から直接ご説明があるものと期待しています。
 本日は肺がん手術の第一人者である東京大学教授の中島淳先生と緩和治療のご専門家で多くの著書をお書きになっている彦根市立病院の黒丸尊治先生をお招きしました。 標準治療のなかに免疫療法を採用され、また緩和医療のなかに丸山ワクチンや先端療法といわれる免疫療法をも採用されている先生方のお話がうかがえると思いますが、いわゆる標準治療と代替医療との壁も少しづつ融解しつつあるのではないかとも思いたくなります。

2013年5月18日
NPO『丸山ワクチンとがんを考える会』理事長 篠原 一