講演会(ご案内・ご報告)

第6回講演会

プログラム4
『質疑応答』
(患者さんのお話も紹介)


司会(南木):

 質問に移る前に、皆さまに、ぜひご紹介したい方がいらっしゃいます。
 この方は、2007年6月に胃がんが発見され、リンパ節に1つ、肝臓には5つの転移があり、早ければあと3カ月という宣告をされた方です。いろいろな条件から手術はできないということで、抗がん剤と丸山ワクチンの治療を続けて、もうじき2年になられます。この方の病気と闘う態度というか姿勢といいましょうか、これがすばらしいと思いますので、短い時間ですが、ぜひ、皆さまにご紹介したいと思います。
 なお、きょうお配りいたしました冊子『“私と胃がん”の話をしましょう』の中にも「Fさん」ということで載っておりますので、詳しいお話はそちらでもご覧いただけると思います。
 それでは、吉田さん、お願いいたします。

吉田さん(埼玉県在住、65歳):

 皆さん、こんにちは。(拍手)
 ただいまご紹介いただきました、この冊子の中では「F」でございますので、よろしくお願いいたします。
 今から1年10カ月前、一昨年の6月30日、ちょっと胃というか右の方が痛かったので病院に行き、7月2日検査の結果、7センチ2ミリ、ほぼ野球のボール大と、うずらの卵大の胃がん、リンパ節に3センチ、肝臓の方には5センチと4センチを始め計5個の転移が見つかりました。胃がん低分化型腺がん、IV期でした。
 「治療しなければ早くて3カ月、もって半年」とのことでした。
 手術はもちろん不能です。しかし半年後、肝臓の一番大きいのが0.5センチ、胃の方が3センチ、その他いっぱいあったがんは全てCT画像から消えました。しかも中分化型がんになり、がんの顔つきがよくなったよと言われました。
 その後、がんの大きさと数は行ったり来たりしましたが、5月2日のデータでは、最初の発見時と同じか、それ以上に悪化しています。私の人生設計ではあと1、2カ月は元気に生きていられるかもしれないけれども、3カ月後は分からない。そのために今をどう生きるか、常にそういう世界で生きてきましたし、これからもそうして行きたいと思っています。
 発見されてから入院までの10日間に、まず葬式用の写真を撮りました。1枚の遺影が葬式に使われ、自宅に飾られて孫子の代まで置いてあるんですね。だったら私が一番気に入った写真でみんなを迎えたい。そういう意味では最高の写真を撮りました。
 2つの会社を経営していましたが、書類など、私にとっては必要だけれどもあとに残された社員や息子たちにとって必要でないもの、すべて捨てました。やけっぱちではありません。残された人が見つけやすいようにしたのです。
 また、3カ月後に死んだらうちの仕事は1年中で一番忙しい時期だから密葬にして、その2カ月後に本葬をするようにとか具体的な指示を出したのもその10日間でした。そして日本医科大学付属病院に入院し、抗がん剤と、丸山ワクチンを同時にスタートさせました。
 ちなみに丸山ワクチンをなぜ使おうと思ったかというと、私の知り合いのお医者さんが昨年11月に腎臓がんで亡くなりました。発見時には3,4カ月が限界だろうなという73歳の方でしたが、手術不能で、抗がん剤その他の積極治療は一切拒否し、丸山ワクチンだけで約2年生存されていました。この方も先ほどの服部先生のお話と同じように「丸山ワクチンを打つと痛みが消えていく人が殆どなんだよね。私の丸山ワクチンを打っている患者さんって、みんな本当にすごいんだよ。もし自分ががんになった時もそうしたいよ」と常々おっしゃってました。亡くなられる3,4日前にお会いした時にはがんが肝臓と腎臓に全部張りついて、お腹をさわったらゴツゴツ。けれども、最後の日まで痛みが無かったということでした。主治医の先生も、「絶対に痛いはずなのに、不思議だ。考えられない。」と言っていました。
 私は最初から丸山ワクチンを使ったものですから、そういう意味の効果は分かりません。でも、分かる事が1つだけあります。髪の毛、私真っ白だったんです。それがこれだけ黒くなっています。そして女性がおられるのでちょっと恥ずかしいのですが、下の方の陰毛は、40代のときからもう真っ白でしたが、今すべて真っ黒です。それは丸山ワクチンの効果以外には考えられません。それだけのものがあるのだったら、私のがんだってやっつけられるだろうと思っています。例えやっつけられなくても、大きくなるスピードをある程度押さえ、必ず延命効果はあると信じて疑いません。
 女房も膵臓がんの一歩手前で、膵臓を全摘して5つの臓器を取りました。これも日本医科大学でお世話になっておりますが、4年前には膀胱癌でBCG療法をやりました。先ほどのお話の生きたサンプルです。あと2カ月で丸5年が経過します。今元気です。
 おふくろは、私ががんになる1年前に大往生しました。「もし早期がんで発見されたなら取れたかもしれないね、そんなに遅くまで何で気付かなかったの」と皆に言われました。しかし私は一番いい時期に発見された、もしその数年前に発見されたら、お互いに弱気になって女房と一緒に病院で肩を並べ討ち死にしていたかもしれない。おふくろが嘆くのを見て、家族も散り散りになったかもしれない。それを考えるとすべてが終わったあと、私が末期がんで発見された、これは天の采配だと今でも感謝をしています。さて、私は今日までがんと闘ったこと一回もありません。闘病という言葉は嫌いです。私はがんを許しています。小冊子の17ページのところにも書いてありますが、「がんはボウフラみたいなものだ」と思います。だから一度はボウフラ死んでくれ、しかし二度と出ないような水をつくる、その水というのは何か考えました。それが生活習慣であり、そして心の問題だということに気付きました。バランスのいい食事をして、40回噛む、40回で30秒です。ちなみにおそばを食べても40回です。そして適度な運動をする。しかしこういうことだけをいくらやってもだめだと思っています。
 運動や食事療法、玄米療法、いろんなことやってもいつも心配して悪い方だけ考えて心を暗くしているならば、血液の循環も悪くなるでしょう、そして体の中の活性化もできないでしょう、やはり心なんだと思いました。そのために感謝の心、「ありがとう」ということを積極的に思うようにしました。
 例えば、誰でも電車に乗ったら座りたいです。がんになってから立てば立ったでいいんですね、きょうの運動を家でやらなくて済む、それから座ったら座ったで身体を休められる、どっちにしてもありがたいですね。
 痛み、たまにはあります。痛い時ほど嬉しいですね、激痛は困りますけれども。なぜならば、先ほどの先生方の専門的なことは別にして、私の中の白血球は闘ってくれているんだなと、それでがんが小さくなったときもある。もし大きくなったとしてもゆっくりなはずだ、延命できるはずだと、私は今でも思っています。だから痛みがあった時は、あっ、これできょうも元気でまた長生きできる、ありがたい。そう思っています。
 女房をはじめ家族から「いつかはお父さんは必ずぽきんと折れちゃうだろう、つっぱっているよ」と言われながら1年11カ月近くになりますが、いまだぽきんと折れずに、いつも全てに感謝しながら楽しく平然と生きています。
 最近友達に出した手紙の中から十数行の文章を読んで終わりにします。
「今年に入って臨床心理士の資格をとるべく勉強を開始しました。目的はがんを含め難病で苦しんでいる患者やその家族のために、いつも死に直面しながら生きている私が出来ることはないかと熟慮した結果、大切なのは一人一人に親身に寄り添える人間、さらに人の死を目前にしたとき、その体験を共有でき、お互い何も語らずともわかってあげられる自分になるため、専門的な臨床心理士の資格は絶対に役に立つなと思いました。
 今まで一日一日を大切に生きてきました。日々当たり前のことのありがたさ、自分が生きようとして生きているのではない、まさに生かされているのです。ただ、ありがたしの心境です。現在、元気で活躍できる残りの期間はどれだけあるか分かりません。いつ命が燃え尽きようと、それは天命、だから残りの人生、これからも常に1カ月単位で全てのものを考え、行動しよう、そして人生を悔いなく燃焼し、この世を去るその日まですべての事に、物に、人に感謝をしながら限られた命を大切に生きていきます。」このような手紙を書きました。
 最後に、私はこれからも丸山ワクチンを使い続けて、そしてその効果を信じ、命尽きるまでがんと共存していきたいと思っております。
 本日、この機会を与えていただきました皆さんに限りない感謝をして、私の話を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



質問者1:

 抗がん剤と丸山ワクチンは併用してもよろしいでしょうか?
それから今、AAを週3回やっていますけれども、毎日でもよろしいでしょうか?

高橋先生:

 一番新しい最近の報告ではがんに少し傷をつけて、同時に自然免疫力を高めるというような方法はかなり有効であろうという報告が出ています。すなわち、現在のように抗がん剤を大量に使うのではなく、もう少し少ない量の抗がん剤と、自然免疫賦活剤である丸山ワクチンみたいなものを併用するというのは、おそらくこれからのひとつの方向になってくるのではないかと思います。
自然免疫というのは記憶のない免疫ですが、おそらく48時間おきに刺激することで活性化するというように考えられています。それがちょうど週3回という現在の投与法になると思います。毎日打つとそれだけ免疫が活性化するかというと、そこまでの影響はないと考えられます。丸山先生は偶然にも最もいいタイミングの刺激方法をご自分で開発されたのではないかと思います。



質問者2:

 丸山ワクチンが、がん以外の治療薬として、あるいは日本ではなくても海外で認可される道は何かあるのでしょうか?

服部先生:

 認可されないということはないと思うんですよね、これだけ十分なデータが出ているんです。厚労省の方も持っているはずですよ。
 私は先ほどお話ししましたように、ピシバニールの開発をやりましたから、あれがよくて丸山ワクチンがだめだということ、これはあり得ない、データは丸山ワクチンの方がずっといいんですから。厚労省の方で頭を冷やしてもらって、いいものはいいと。そんな悪いものだったらパスツール研究所で特許権を売ってくれなんて言いませんよ、これはね。まあ、そういうことです。