講演会(ご案内・ご報告)

第3回講演会

プログラム3
『笑い・生き甲斐・自然治癒力』
すばるクリニック院長:伊丹 仁朗


1.生き甲斐療法を始めたきっかけ

すばるクリニック院長:伊丹 仁朗  皆様、こんにちは。「♪〜目を閉じて何も見えず、悲しくて目を開ければ〜♪」のすばるクリニックの伊丹でございます。(会場:笑)
 まず、この場を借りまして、日本医大ワクチン療法研究施設、並びにNPO「丸山ワクチンとがんを考える会」の皆様には、日ごろ大変お世話になっておりますことを、心よりお礼申し上げたいと思います。

 さて、私は新倉敷駅前のクリニックで、主にがんの方々のプライマリーケアや緩和医療にあたっている内科系の医師でございます。私は二十数年前から『生きがい療法』とよぶ、「生き甲斐」という心の働きを利用してがん治療効果を高めようという心理療法と、丸山ワクチンをがん治療のベースとして治療に取り組んでまいりました。本日は私のささやかな体験と丸山ワクチンとのかかわりについてのお話をしたいと思います。なお、私のお話の中で丸山ワクチンのことを多くの利用者の方が呼んでおられる愛称「丸ワク」という短縮語を使わせていただきますことを、ご了解をいただければ幸いです。
 私は一度だけ丸山千里先生とお会いしたことがございます。先生は私のような地方の無名の一医師が面談したいという希望を快く受け入れてくださいまして、お昼には丸山ワクチン研究者の先生方と会食をするという機会まで与えてくださいました。そのとき私は丸山先生のおだやかなお話ぶりの中に、がん治療における強い情熱に触れ大きな感銘を受けました。丸山先生との出会いによって私のがん治療にあたる姿勢にも大きな影響をいただいたと感じております。
 さて、私が、生きがい療法というがん闘病中の方々の心理療法を始めるに至ったそもそものきっかけは、1980年ごろ、大腸がんの手術をしたばかりで、その後大変な死の恐怖に怯えておられた一人の主婦の方との出会いにございました。私はこの方の死の恐怖を何とか解決できる良い方法はないものかと、いろいろとその方法を模索しました。
 当時、私は、それまでの日本の医学界は、がん闘病中の方が死の危機に直面した場合、心理的な側面を、がんを隠すことによって対応してきたということに気がついたわけです。そこで何か科学的、心理学的な立場からその心理的危機に上手に対処していく方法はないだろうかという模索を始めたわけです。
 日本で開発されました森田療法という心理療法の体系があります。慈恵医大・精神科の教授森田正馬先生が開発をされた療法なのですが、これは死の不安・恐怖に対してどう対処したらいいかというひとつの明確な指針を示している療法だと思うのです。森田先生の言葉で言いますと、「人間が病を気にしたり死を恐れるということは人間心理の当然のことであって、この当然のことを感じないように、なくなそうと、平気になろうとすることそのものに原因がある、つまり、とらわれる原因がある。だからそういう不安、死の恐怖はそのままにして、きょう一日をどう生きるかという行動に取り組むことが大事である」という解決法を提示されているわけです。生老病死のすべての問題に役に立つというふうに言われておりますが、この方法を私はがん闘病中の方々、先ほど最初にご紹介した女性の方を含めて、何人かの方にこの考えを実行してもらいますと、大変効果的であるということがわかりました。こういう考え方をベースにした『生きがい療法』という、森田療法をベースにしたセルフサービスでできる心理生活療法というものを考案しまして、現在まで二十数年、多くの方に活用をしていただいております。
 この生きがい療法では、がんや死の恐怖に対して上手に対処する5つのヒントというのをまとめております。それをご紹介します。
 1)自分が主治医のつもりで病気や人生の困難に対処していきましょう。
 2)今日一日の生きる目標に取り組んでいきましょう。
 3)人のためになることを実行しましょう。
 4)不安・死の恐怖はそのままに、今できる最善の行動をとりましょう。
 5)死を自然現象として理解し、今できる建設的な準備だけはしておきましょう。
 以上のような考え方を一つのヒントとしていただいております。



2.笑いとイメージトレーニングで免疫力を高める

 このような考え方を皆様に学習していただく方法として、4種類の学習法を主にお勧めしております。1つ目は、今の5つの指針を日々の生活に生かしていただく。それから2番目はユーモアスピーチです。
 最近の身の回りの出来事を聞く人が楽しく笑うような短いお話をまとめて、家族や周囲の人に話したり、遠くの友達にはe-mailで送ったりして、一緒に笑いましょうという、セルフサービスの笑い療法なんです。その実例をご紹介してみたいと思います。
 54歳の主婦の方の作品ですが、この方は甲状腺がん、胃がん、子宮体がんという3つのがんと闘病してきた方です。その上、B型肝炎による肝硬変にもなっておられました。実はこの方はもう10年以上、丸山ワクチンを使用されておられます。もちろん3つのがんを今は克服なさって、しかも驚くべきことにB型肝炎による肝硬変が何年かのうちに治りました。これはずっと私が経過観察を外来検査にて行っておりますからわかるのですが、本当に治ったのですから驚くべきことですね。
 タイトル『奥さん、若いね』
 先日、娘と京都へ旅行したときのことです。金閣寺から大原へと観光して、ひなびた漬物屋さんに入ります。京都名物の漬物をあれこれ品定めをしていると、漬物屋のおじさんが寄ってきて、「奥さん、若いね」とお世辞を言います。うれしくなった私は言わなきゃいいのについつい、「幾つに見えます?」。これが失敗でした。しばらく考えていたおじさん、「うーん、60歳かな」との返事。期待していた私はあきれはて、隣の娘は大笑いです。「それはひどいわ、私は54歳で四捨五入すれば立派に50歳なんですよ」という私に、あわてたおじさん、「美人は老けて見えるからね」と、意味不明のフォローです。(会場:爆笑)これまた二人で大笑いしてしまいました。
と、このような実話をまとめて周囲の人を笑わせるという方法です。
 実は笑うと心が明るくなるだけでなくて、体内の免疫力も良くなる傾向があるようです。というのも、私どもの行った実験で、これは明らかになったのですけれども、大阪の吉本興業のお笑い劇場、なんばグランド花月に19人のボランティアの方々に行っていただいて、笑う前後の血液の検査をさせてもらいました。
 ナチュラルキラー細胞(以下、NK細胞)の強さが笑う前後で変化しないだろうかという実験を試みたのです。NK細胞というのはすべての人の体内に50億以上存在していて、がんの予防と治療に大変重要な役割を果たしているのです。
 どれほど重要な役割をしているかといいますと、アメリカでの研究によれば、これからがんの手術をする方々のNK細胞の強さをまず測定し、そして手術した後、キラー細胞が強いグループと弱いグループと中間のグループで3年間の生存率を比較しました。するとどうでしょう。強いグループは80%以上の生存率、弱いグループは40%以下です。NK細胞が中間のグループは生存率もちょうど中間です。つまり手術後の生存率はご本人のNK細胞の強さに比例して決定されているという驚くべきことがわかったのです。日本国内での大規模な調査でもNK細胞が強い人は発がん率がかなり低いということもわかっています。がんの予防にも、あるいは再発予防にもNK細胞の強さは重要であると言えるでしょう。
さて、このNK細胞が、「笑う」ことによって何か変化しないだろうか、と考え実験を行いました。
 笑う前・後のNK細胞の強さを調べたところ、笑う前に弱かった人は、大いに笑いますと全員正常になっています。正常以上になっている人もいます。もともと正常範囲だった人もさらに強くなっていますね。このように大いに笑うとNK細胞は強くなるということが言えそうです。
 さて、生きがい療法の三つ目の学習方法は、イメージトレーニングです。これはリラックスして目をつぶった状態で、目の前にイメージを思い浮かべるという簡単な方法なのです。その代表的な方法をひとつご紹介します。
 まず、白い砂浜に座って広い海を眺めているというイメージを思い浮かべます。そして目の前の海が、ご自分の体の中にも広がっているというイメージを展開していきます。さらに、体内の広い海の中を無数の熱帯魚が泳ぎ回っていて、がんを食いつぶしてくれているというイメージを約15分間思い浮かべる方法です。どなたでも簡単にできる方法なのです。こういうトレーニングをすると、先ほどお話し致しましたNK細胞にどういう変化が起きるだろうかという実験もいたしました。
 そうしますと、イメージをする前にはやや低すぎた人が多かったのですが、イメージをした後は、全員強くなっています。もともとやや強かった方もさらに強くなっています。このように、こんなにも簡単な方法で体内のNK細胞を強くすることができるということが言えそうです。これらはセルフサービスでできる免疫増強法と言えるのではないでしょうか。



3.生き甲斐に取り組む体験で免疫力を高める

 そして4つ目は体験学習です。これは生き甲斐に取り組む体験をしていただくという学習です。多くのがん闘病中の方々もさまざまな生き甲斐に取り組んでおられます。
 例えば、乳がんの女性の方ですが、ご両親と海外旅行をしてオーストラリアでコアラを抱っこしてこられたそうです。これも親孝行と海外旅行の生き甲斐体験ですね。また、他の闘病者の方々も、絵を描いたり、オカリナの演奏に取り組んだり、フラダンスに取り組んでおられたりと、さまざまな生き甲斐に多くの人が取り組んでおられます。
 生きがい療法を実践している方々にアンケート調査を行いますと、実に色々な生き甲斐に皆さん取り組んでおられることがわかります。生き甲斐に取り組みますとその方面に注意や行動が向いていきますから、日ごろの病気の心配・不安というものが、かなりやわらげられるように思います。また、前向きの心が大きくなってくるようにも思います。実は生き甲斐に取り組むこと事体も、がんの抑制効果があるということが最近の研究でもわかってまいりました。
 一昨年、愛知がんセンター研究所の発表したデータですけれども、3万5,000人の女性の方々を7年間、追跡調査をしますと、生き甲斐や人生への張りを持っている人ほど、がんのリスクが少なくなる。そのリスクはどの程度低くなるかと言いますと43%減るそうです。とても驚くべきことです、生き甲斐を持つだけで発がんリスクが減る、つまり、がんに対する抵抗力が強くなるということが言えそうです。
 さらに、共同で生き甲斐を体験する試みも行っております。ひとつの目標を集団で取り組む活動です。例えば「ごみ拾いの実習」というのもございます。集まった方々にごみ袋を渡しまして、30分間周辺の道路や公園のごみを拾っていただきます。これも人の役に立つボランティア活動の体験でもあります。ごみを拾ってきた後、皆さんに尋ねます。「今、ごみを拾っているときは日ごろの病気の心配や不安はいかがでしたか?」すると、多くの方が「ごみを拾っている間はそれは忘れていましたね」とか、「軽くなっていましたね」というふうにおっしゃいます。
 さらに、ペイントフェスタという体験学習も不定期に行います。先ほど篠原先生の方からもご紹介がありましたけれども、病院へおうかがいして、がん闘病中の方々や入院をしている人々と共に、病院の真っ白い壁に絵を描かせていただくボランティア活動です。一昨年の8月には、富士山のふもとで、主に肺がんの治療をされている静岡富士病院(旧国立病院)へおうかがいして、たくさんの絵を描かせていただきました。病院の壁だけではなく、キャンパスにもたくさん描いて、それをご希望の病院に贈呈をしたりいたします。これも絵を描くという創作活動、生き甲斐体験であり、また社会の役に立つ活動でもあります。
 また、「若い世代にがん克服体験談を語る」という、一日教授体験と呼ぶ活動も行います。地元の国立大学で、学生さんにがん闘病者の方が体験談をお話ししたり、看護学校の方々にお話をしたり。これもボランティア活動の一つで、若い世代の方々に人生の先輩の闘病者の方が人生の困難への上手な対処の仕方を体験を通じてお話をする、語り伝えるという活動であります。



4.がん闘病中の方々とのモンブラン登山・富士登山・オーロラツアー

 これはもう20年前になりますが、7人のがん闘病中の方々とモンブランに登山をいたしました。これもひとつの生き甲斐体験です。モンブランというヨーロッパアルプス最高峰に挑戦してみようじゃないかということで、2年計画でいろいろなトレーニング、準備対策を行いまして登山を試みたわけです。7人のがん闘病者の方々とガイドの方、ボランティアの方、合計二十数名で登山をいたしました。このときは途中から天候が悪くなって、頂上を目指した日には猛吹雪になりました。でも、3名のがん闘病者の方が頂上まで行かれました。一人は卵巣がんの女性の方、もう一人は大腸がんが肺に転移している方、もう一人の方は上顎がんといいまして耳鼻科のがん、この3人の方が猛吹雪の中を登頂されたのです。この日は、8月23日なのですが真夏でも天候が悪くなると猛吹雪となるのです。
 このがん闘病者の方のお二人が、手に何か持っている記念写真があります。何でしょうか。実は、写真に写っているのは丸山ワクチンの箱で、中には注射液が入っているのです。この登山中も丸山ワクチンの注射をしながら、ワクチンのおかげで頂上へ到達することができましたというので、丸山ワクチンと一緒に記念写真を撮られたのです。4,807メートルに丸山ワクチンが到達したという記念すべき写真かと思います。
 この登山に参加なさった7人の方々は、乳がん・卵巣がん・上顎がん・胃がん・肝臓がん・大腸がんが肺に転移している方々でした。あれから今年でちょうど20年になりますけれども、残念ながらこの内、お二人の方はかなり病気が進行していた状態でしたので、登山後、約3年ぐらいでお亡くなりになりますが、今も5人の方は大変お元気で日々ボランティア活動や趣味やスポーツで大変忙しく過ごしておられます。番匠さんという卵巣がんの方は、先程ご紹介したモンブランの頂上で丸山ワクチンの箱を持って記念撮影をされた方です。この方は、それまで登山体験はなかったのですけれども、2年間のトレーニングで登山を体験されてモンブランに登り、それ以後、登山が随分お好きになって、以後20年間にコツコツと日本の高い山の登山を続けて、日本百名山の98まで今現在登っています、日本百名山に王手ですね。今年中には、残りの2つを登って百名山に到達されるそうです。
 ほかの方々も、例えば鞍本さんという乳がんの方は、かなり進行した乳がんで、手術のときに死の危機に直面され、その後、阪神大震災で2回目の死の危機に直面されておられます。その後、定年後に中国へ1年間ボランティアの日本語教師として行って活動をされているという、それぞれにいろいろな生き甲斐に取り組んでおられます。
 さて、登山といいますと、紀元2000年にはがん克服日米合同富士登山を行いました。これは米国から80名のがんの方々、日本国内で公募しました140名のがんの闘病者の方、合計220名で登山をいたしました。国内のがん自助グループ15団体の共催で実行委員会をつくりまして、2年計画で準備を進めました。そして2000年の8月、がん闘病者の方が日米あわせて220名、それと同数のボランティアの方々が参加され、大パーティで登山をいたしました。この参加者の中には丸山ワクチンを継続している方も随分たくさん含まれておりました。
 また、2003年には、がん克服の北極圏オーロラツアーを行いました。2003年の1月、冬のカナダ北部の北極圏に行きまして、北極圏の寒さを体験したりオーロラ鑑賞をしようという旅で、がん闘病中の人が14名、ご家族やボランティアを含めて26名の参加で行いました。中には車椅子で参加をなさっている方もおります。この中には何人も丸山ワクチンを継続中の方もおりました。この旅行中も丸山ワクチンを継続されている方には注射をさせていただきました。
 でも、皆さん観光やショッピングに忙しくてなかなか丸山ワクチンしようと思っても私がつかまえるのは難しい。でも、夜ホテルのレストランに行きますと必ず皆さん来ますから、ビールを飲んでいる方をつかまえて注射をいたします。また、これから町へショッピングに行こうという人をフロントの前でつかまえて、立って注射をしたりもしました。これらの方々も乳がんが肺に転移したり骨に転移したりしている人ですけれども、丸山ワクチンを長年続けながら非常にお元気で過ごしておられます。



5.心理療法による生存期間延長の3大研究

 笑いや生き甲斐、イメージという心理療法によって、がん治療を促進しようという試みをご紹介させていただきましたが、こうした方法も体の治療とあわせて行いますと、がん治療効果はもっともっと促進されるのではないだろうかと思うわけです。と言いますのも、海外には、心理療法による生存期間延長の三大研究というのがございます。1989年のアメリカ、スタンフォード大学の研究によりますと、乳がんの方々の遠隔転移のある方々にやはり集団精神医療を取り入れますと、10年間の生存率が2倍になるということが発表されていますし、これは先ほど亀谷先生からご紹介のありました国際医学雑誌『ランセット』にも採用されていますから、非常に信頼性が高いデータです。また、1993年のUCLAというロサンゼルスの大学病院の発表では、メラノーマの手術後の方々にこういう心理療法を行いますと、6年後の再発率が50%、死亡率は3分の1になるというデータが発表されていまして、これも『ランセット』に採用されております。それから1999年にはドイツの研究者たちが消化器がんについてやはり心理療法を施行しますと2年後の生存率が1.5倍にふえるということが明らかとなっております。



6.ベストのがん治療をめざして

 さて、近年『がん難民』という方々が日本で非常にふえてきております。この言葉は皆さんもお聞きになったこともあろうかと思いますが、私が考えています『がん難民』の定義は、現在の日本のがん医療のレベルで、できるはずのベストの治療が受けられていない、がん闘病中の方々のことを指すと思うのです。その結果、病状が悪くなったり生存期間が短縮させられたりしている方々であると思います。開業して4年半ぐらいになりますが、私のところにも進行がん、末期がんの方が随分たくさん相談に見えます。その多くの方に、今までの病歴を詳しく聞いていますと、もっと早い時期にこんな治療をしたらよかったはず、もっと元気で長生きできたはず、あるいは再発しなかったはずだと思う人が非常に多いのです。どうも、がん専門病院といわれるところではそういう点では、手を尽くした治療がなされていないように思います。
 実は、つい最近、九州の主婦の方からお手紙がきました、3月12日に届いた手紙ですが、この手紙によりますと、「このたび、闘病生活を続けておりました母が2月12日に永眠いたしました。今、思い返せば九州がんセンターで余命1カ月を告知されてから1年と4カ月、先生方のお力がなければここまで延命することはできませんでした。」
 実は、この方は一昨年の10月に、ある方の紹介で、福岡から倉敷まで相談に見えたのです。お話を聞きますと、九州がんセンターで非小細胞性の肺癌(腺がん)腹膜転移という診断を受け、69歳当時、腹膜転移という診断を受けて「これはもう治療法がない。ですから、ホスピスにこのまま行くか、退院しておうちで過ごしなさい」と言われたわけです。でも、この方は、「いや、何か治療してもらわないと。最近は肺がんの治療でも、いろいろ延命できる治療法があると聞いています。最近のイレッサという飲み薬でいい報告があるのを聞いているので、それはどうでしょうか」と担当医に言いました。担当医からは「イレッサはたとえ効いても、一時抑えだから助かりません。治療してもしようがないです」という非常に冷たい扱いを受けて、私共のところにご相談に来られるに至ったのです。
 私はイレッサを使うのは試みるべき一つの方法だと思うのですが、イレッサは使ってもらえない。それならば、ターセバという個人輸入できるイレッサとほぼ同じ分子標的剤があるので、それをイレッサのかわりに使ってみられたらどうですか。また、同時に丸山ワクチンをぜひお使いくださいとお勧めしまして、この女性は、丸山ワクチンを使いながらターセバを飲んでこられたのです。それにより、今まで寝たきり状態であったのに、驚くべきことに、1カ月後には起き上がって、自分で御飯を食べられるまでになったのです。がんセンターから追い出されたので、地元の民間の病院に移ったのですが、ここは、がん専門病院ではないですから、がんの治療はしてくれないわけです。でも、丸山ワクチンはしてもらえたのです。それで、1カ月ぐらいで随分よくなり、3カ月ぐらいしたらおうちに帰って普通の生活ができるようになりました。そうして大部分の期間、普通の生活ができるようになって、がんセンターで1カ月と言われたのに1年4カ月お元気で過ごされたわけです。
 このがんセンターの医師に「丸山ワクチンは?」と聞くと、先ほど亀谷先生もおっしゃったような、水と一緒だという、とんでもないことを言われたそうです。今、丸山ワクチンを希望しておられる方は随分多いですね。私のところにも随分その相談がありますが、多くの病院で同じように言われて断られているのです。本当は、希望者が多いのだけれども、現場の医者がそれを却下してしまっている。ですから丸山ワクチンを希望するのに使ってもらえない方々も立派ながん難民ではないかと私は思います。
 私は、倉敷にあります川崎医科大学の木本先生に、もう、ずっと以前からいろいろお教えいただく機会がありました。木本先生は病理学の先生ですけれども、丸山ワクチンを注射するとコラーゲンが増殖してがんを取り囲んで、がんの増殖を抑えて封じ込めていく働きがあると、これは結核の治癒とがん治癒とはほぼ同じ機能があるというお話を聞いておりまして、病理学的に明らかなエビデンス、つまり科学的な裏づけがあるということを確信してまいりました。木本先生は、やはり海外の医学雑誌に何回もこの病理学的な効果というのを発表されてきております。また実際に丸山ワクチンを使った方々の病理解剖をした結果も、同じような現象が体内で起きているということの証明をされております。
 そしてまた、臨床的な治療効果としましては昨年、日本医大のワクチン療法研究施設から発表されました2つの論文に私自身が大変驚きました。先ほど亀谷先生からもご紹介がありましたけれども、進行性胃がんの方々で肝臓とか腹膜とか膵臓とかいろんなところに転移のある方々が、丸山ワクチンを使用して10年以上生存している人が、たった2年間のカルテを検討しただけで、126例の方が10年以上生存されているという驚くべきデータだと思います。
 また、大腸がんについても同じように、たった2年間のカルテの検討の結果、やはり大腸がんから肝臓転移が多いですけれども、肝臓とか肺とか腹膜とか骨盤腔内とかいろんなところに転移しているのにもかかわらず10年以上生存している人が162例もあるというわけで、これはどんな化学療法剤よりも、はるかに効果があると、私は驚いたような次第です。
 今、私はこの論文をコピーさせていただいて、ワクチン使用者の方に、ぜひ読んでくださいとお勧めをしております。やはりワクチンの効果にそれぞれの利用者の方が希望をもたれるということが、一層その治療効果を高める可能性もあるのではないだろうかというふうに思う次第です。通常、こういう進行がんの方々の化学療法での生存率は50%。半分の人が生存している期間は20カ月といわれています。そして20カ月ということは全員が亡くなるまでに40カ月ということです。3年4カ月です。だから化学療法では3年4カ月しか生存しないはずの方々が10年以上、こんなにたくさん生存しておられるということは、大変驚くべき科学的な裏づけではないだろうかと思うのであります。
 そういうわけで、このように効果のすぐれている丸山ワクチンは、日本人だけでなく、世界の人類にとって多大なる恩恵をもたらす薬であることは明らかだと思います。日本政府が丸山ワクチンをがん治療薬として承認し、全世界への普及を図っていくことを強く願うばかりです。こういうものが日本政府によって握りつぶされているというのは世界人類にとっても大変な損失です。日本にある、このようにすぐれた医療資源を世界に紹介して普及していく義務が日本政府にはあるのではないかと、私は思っております。
 1984年.今から23年前に、丸山千里先生と私のツーショットで写した写真がございます。最後に丸山先生と私がちょっと歌を唄いますので、お聞きください。「♪〜我は行く、青白き頬のままで、我は行く、丸ワクとともに〜♪」
ご清聴ありがとうございました。(拍手)


(参考)


配布文献の御案内

第3回講演会にご出席された方に配布しました下記論文の別刷りは、講演の中でも引用されております。

  1. 丸山ワクチン(SSM)10年以上使用の進行胃癌症例の報告
    -2004〜2005年カルテに限定- 日本医事新報2006. 7.22号 p67〜72
    日本医科大学ワクチン療法研究施設 岩城弘子 飯田和美 永積惇
    浜松医科大学第一病理、元虎ノ門病院免疫・病理部長 遠藤雄三
  2. 丸山ワクチン(SSM)10年以上使用の進行大腸癌(III、IV期)症例報告
    -2004〜2005年カルテに限定- 日本医事新報2006.12.30号 p63〜68
    執筆者 同上

第入手ご希望の方は、郵便番号、住所、氏名と、『第3回講演会配布資料を希望』とお書きの上、NPO丸山ワクチンとがんを考える会事務局(お問い合わせ)にお申込み下さい。